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認知症になっても自宅で暮らせるのか

    これも難しいテーマですが、多くの場合は自宅で暮らせると思います。
    家族が同居されている方はもちろんですが、共に認知症のご夫婦、もしくは一人暮らしの認知症の患者さんも当院にはいらっしゃいます。
    なので認知症になったら自宅にはいられない、というのはそうではないです。

    ただ、別の側面として認知症がある程度進んだ際に自宅にいることがその患者さんのためになるのかどうかということも考えないといけないと思っています。
    例えば認知症が進むうちに「自宅にいたい」という願望が薄れていく場合もありますし、ご自身の中でも一人暮らしに不安が増してきて、誰かがいる状況(グループホームなどの施設)の方が安心だと思われるようになる場合もあります。
    そういった変化の中では最初の「自宅にいたい」という希望に固執しすぎる必要はないように思います。
    要は「自宅にいたい」と思っている間を上手に自宅で過ごすことが重要ということです。

    また自宅で暮らすとしても24時間365日自宅にいたいのかどうかという話もあるでしょう。
    リハビリや認知症進行の予防のために、もしくは家族のいない間一人は心配だからということでデイサービスに通っている患者さんは多いですし、人によって週末はショートステイというお泊りできる施設に行って、平日は自宅で過ごすという方もいます。
    人によってはそういう他人が多い場所がそもそも嫌だということでずっと自宅で過ごされる方もいますが、そうでないならリハビリや生活のメリハリという意味でデイサービスを利用することはいい影響が大きいです。
    ですのでそういう色んな効果も含めて、自宅で長い時間1人で過ごすことに心配があるような方は介護のサービスを利用するという手段があります。

    あとは認知症についての記事に書きましたがデイサービスなどの生活環境の調整も認知症の治療ですが、内服薬での治療もあります。
    自宅で暮らすことが難しくなるような症状を治療によって改善できればより自宅で過ごしやすくなります。
    一度は自宅で暮らすことが難しくなった患者さんでもお薬を調整することで安心して自宅で暮らせるようになった例も多々あります。
    精神面に作用するお薬は忌避される方も多いですが、最近は安全な薬も多いですし、こちらも十分に副作用などに注意しながら開始するので安心していただければと思います。

    ということで初めに戻って、「認知症になっても自宅で暮らせるのか」ですが、全くこれまでと同じスタイルの生活は難しいかもしれませんが、色々な手段を利用することで自宅で暮らすことはできると思います。
    生活スタイルの変化は受け入れにくい場合もあるでしょうが、そこはある程度身体的な変化(年齢と共に歩きにくくなるなど)と同様で避けられない部分もあります。なるべく今の生活が長く続けられるように在宅医療チームも支援しますが、変わらざるを得なくなった際には患者さんにとって何が一番大事かを相談しながら対応し、それが「自宅で暮らすこと」であった場合にはそれを第一の目標に一緒に考えます。
    こんな風に、認知症になってしまった患者さんのお力になれる部分があると自負していますし、その経験も豊富な医療機関ですので悩んだ際にはご相談いただければと思います。