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在宅医療は家族の負担が大きいのか(その1)
これもまた難しいテーマです。
しかも多くの方がぶつかる問題でもあります。
このテーマについては2つの視点で話したいことがあるので分けて書こうと思います。
今回の記事では、具体的にどういう負担があってどのようにその負担を軽減できるのか、ということを書いていきます。
まずご家族の負担ということで皆さんは何を考えるでしょうか。
金銭的な負担、介護などの肉体的負担、自宅で病気の家族を見守るという精神的負担と簡単に思いつくものだけでも色々な負担があります。
そして人によってこれらが実際どれほどの負担になるかは異なります。
この部分がこのテーマをさらに難しくする部分だとも思います。
例えば誰かが「~が大変だった」と言ってもそれを聞いた人にはそうではないかもしれないからです。
そんなわけで個人差が大きな部分でもありますが、より一般的になるべく多くの人の参考になるように書こうと思います。
上にあげた順番に沿ってまずは金銭的な負担です。
比較による評価をすれば、在宅医療にかかる費用は単純には通院より大きく、入院より小さいです。それはそこに関わる人手と時間の多さに比例していると言っていいでしょう。
通院に比べて在宅医療ではよりケアが必要な方が多く、それに対応するため多くの人が関わるのでどうしても費用が高くなる、というのが事実ではあります。
一方で具体的な金額でいえばホームページの方に参考料金が記載してありますが、患者さんが何割負担なのかで実際の料金が異なることが多くの人で負担の違う理由のひとつです。
他にも指定難病のために在宅医療が必要な方は医療費助成があるので、その分負担が減るなどもあります。
このあたりはどうしても保険診療というシステムの中の話なので避けられない部分ですが、当院では費用面での助成などが受けられる患者さんに当院の方から申請の提案をするなどして必要な医療が継続できるようにお手伝いもしています。
次に介護などの肉体的負担ですが、まず在宅医療の場合は当院が訪問するため定期的な通院をしなくて済む場合には付き添いや受診の負担がなくなる部分は在宅医療の大きなメリットだと思います。当院の訪問の際も必ず毎回同席しないといけないわけではないのでその点でも負担は減るのかなと思います。
そしてこれは金銭的な負担とトレードオフとなるわけですが、ヘルパーさんやデイサービス、ショートステイなどの介護サービスを利用することでご家族さんの介護負担は減らすことができます。医療的な処置については必要に応じて訪問看護師さんにこまめな処置を依頼することで対応するのでその分もまたご家族さんの肉体的な負担は減ります。
次に精神的負担です。在宅医療ではどうしても加齢性の変化や治癒困難な慢性疾患や悪性腫瘍などの病気の患者さんが多く、それをご家族さんが見ていく中で患者さんの変化に不安や辛さを感じる方は多いです。日々の悩みや不安などは診察の際に相談していただいて構いませんし、訪問看護師さんやケアマネさんなど各々の方が話しやすい人に相談していただければ、必要に応じて在宅医療のチーム内で共有し、チームでどのようにしていくのが良いか相談して提案させてもらっています。
それによって安心したとおっしゃっていただくことも多いです。
また認知症の患者さんの場合には認知症の症状のためにご家族さんにストレスが溜まることも多いです(同じことを何回も聞かれる、何かを伝えても理解できない、など)。
認知症の種類や症状の強さにもよりますが、ある程度進行した認知症の患者さんに対しては対応にコツがあるのも事実です。ヘルパーさんや訪問看護師さんは慣れているのでそのあたりは上手な方が多いですが、ご家族さんは多くの場合は初心者ですし、利用者さん患者さんとして接するのと家族として接するのではやはり気持ちのあり方も違うのでうまくできなくても当たり前です。この部分も肉体的負担と同様介護サービスを利用することで負担軽減を図ることができますし、介護生活の中で訪問看護師さんなどに上手な対応の仕方を教えてもらい折り合いをつけて生活できるようになる人も多いです。
以上のように負担があることは事実ですが、それを軽減するための制度や方法が存在するので、ぜひ活用していただければと思います。患者さんよし、ご家族さんよし、両者の関係性よし、もまたひとつの三方よしなのかなと思っていますので、そのために当院も尽力します。