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人生会議について

    2月の担当は看護部です、よろしくお願いします。
    今回は、世間でも話題になってきている「人生会議」についてお伝えしようと思います。
    皆さんは「人生会議」って聞いたことがありますか?

    厚生労働省のホームページでは、
    『人生会議』~自らが望む、人生の最終段階の医療・ケアについて話し合ってみませんか?~
    と公示されています。
    そこには、「命の危機が迫った状態になると、約70%の方が、医療やケアなどを自分で決めたり望みを人に伝えたりすることが、できなくなると言われています」、「自らが希望する医療やケアを受けるために、大切にしていることや望んでいること、どこでどのような医療やケアを望むかを、自分自身で前もって考え、周囲の信頼する人たちと話し合い、共有することが重要です」と書かれています。

    年始早々、大地震や航空機事故があり、自然災害も多くなっている世の中、思ってもみなかった経験をするかもしれません。病気になっていなくても、「もしもの時」のために、自分のこと、家族や大切な人のことに向き合って、今から「人生会議」を始めていく必要があるのではないでしょうか?

    自分の人生の最期について、誰もが違うイメージや希望を持っていると思います。
    コロナが流行し始めた頃には、100歳以上の方でも「ひ孫と会いたいから」と、積極的にワクチン接種を希望されましたし、誰もが手洗いマスク手指消毒など、感染予防に努めながら過ごしてきました。
    防災意識を高く持って、準備をしている方も少なくありません。
    日本人は他の国の人と比べ「人に迷惑かけず自身のできることをコツコツ頑張る民族」ともいわれてます。
    だとしても、日頃からもしもの事を考えて、自分の思いを大切な人に伝えたり、大切な人の思いを聴いたりしていますか?
    たとえ家族だとしても、本音を聴くのは難しいし、どう切り出したら良いかもわからないと思います。
    「ほっといてくれ」と言われたり、「不吉な話題だ」と一蹴されるかも知れません。
    でも、聞いてみないとわかりませんし、話すことで、「見捨てられてないんだ」と感じたり、今まで思っても見なかった本音を共有する機会となるかも知れません。大切な人の思いを知ることで、不安が減ったり、覚悟につながることもあるでしょう。
    「人生会議」の切り口としては、今まで楽しかった事や好きな事を話題にしてみて、「その人が大切にしていること」を聞いていくと良いそうです。
    難しく考えず、話をする機会を少しずつ増やし、素直な気持ちで「一番大切なことは何か」、「最期をどう過ごしたいか」、「病気になった時は治療を頑張りたいか」、など聞いてみてください。
    それが人生会議です。
    相談する相手は、家族だけでなく、友人や医療者など、身近の大切な人でかまいません。
    ただ、人の思いは揺れ動くものなので、決して決めつけず、折をみて何度も人生会議を繰り返していくことが大切です。
    終末期の家族との関わりなど、どうしたらよいか悩まれている場合は、どうか医療者に相談してください。
    まずは身近の大切な人に心を向けて、声をかけてみましょう。
    大切な人が最期を迎えたとき、心残りを感じるかも知れませんが、人生会議で向き合った経験は、「その人を大切に思っていたんだ」という自信へと繋がっていきます。