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研修医の先生が実習にいらっしゃいました

    タイトルの通り先月、病院から研修医の先生が実習のため一週間ほど当院にきており、診察の際に同席させていただいた患者さんにはこの場を借りて改めてお礼申し上げます。

    この実習は地域実習という項目で研修医が修めるべきこととして必須とされているものです。
    内容としては当院のような地域のクリニックにいくことが多いですが、離島などのへき地医療を担っている病院にいくこともあります。私が研修医の際にはどちらも選択できたのですが、地域のクリニックに行く方を選択したことを覚えています。その頃は今よりもまだ訪問診療が一般的ではなかったので1週間ずつ4か所のクリニックで実習させていただきましたが、訪問診療をしているクリニックは1か所だけでした。最近ではもっと増えていると思いますが、それでも当院のように訪問診療専門のクリニックは珍しいのではないかと思います。そんな珍しいクリニックだからこそ他ではなかなか知ることがない部分を研修医の先生に知ってもらえたらいいなと思いつつ、関わらせていただきました。

    今年初めて当院でも研修医の先生の実習の受け入れをしたのですが、もともと病院から依頼があった理由としてはこれまで実習をお願いしていたクリニックの先生が高齢で引退されたり、閉院されたりしたために依頼先が減ってしまったからということでした。当院でも時々かかりつけのクリニックが閉院するので引継ぎをお願いしたいという患者さんがいらっしゃいますが、今回のような実習でも医師の高齢化の影響を感じます。
    とはいえ医師の数は増えている(毎年医師になる人数が増えるように政府は進めているので引退する医師よりは新しく医師になる人の方が多くなっている)のですが、それでも高齢の先生が引退して困るのは、やはり日本全体の高齢化による患者さんの増加に医師の数が追い付いていないのだと思います。

    そういう意味でもやはり新しい医師を育てる(というのはおこがましいですが)ことは長い目で見て、医療への貢献、そしてこの地域における医療の提供につながると思うので可能な限りは今後も実習の受け入れを続けていきたいと思っています。

    それに若い先生とお話しすることはこちらの刺激にもなり、こちらが勉強させてもらうこともたくさんあるのでありがたいことだと思います。昔に逆の立場で私を実習で受け入れてくれた先生も同じだったのかなと感じたりもして懐かしい気持ちになりました。人間というのはどうしても老いてしまうものなので、医師も永遠には働き続けることができませんが、あの頃お世話になった先生方が可能であれば今も現役で診療をしていて、引退されていたとしても元気に過ごされているといいなと思います。