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イノベーター理論

    前回のブログから少し時間が空いてしまいました。気づけば春の雰囲気で桜も綺麗に咲いていますね。もうそろそろ散ってしまうのかなと思うと時間の流れは早いものです。訪問診療の際に入学式や始業式終わりであろう学生さんたちを見かけることもあり、新しい季節を感じます。

    さてタイトルのイノベーター理論というのをご存知でしょうか?
    私も特別に詳しいわけではないですが、マーケティング用語のひとつで、新しいものを受け入れやすい、受け入れにくいで人々を5段階に分類したものです。検索してもらえるとわかりやすいですが、新しいものを受け入れやすい順にイノベーター、アーリーアダプター、アーリーマジョリティ、レイトマジョリティ、ラガードと名付けられています。あくまでマーケティング用語なので厳密には違う部分もあると思いますが、広く当てはめられる分類かなと思います。
    例えば新しい道具ができた時にそれをぜひ使ってみたいと思う人もいれば、今まで使っていた慣れ親しんだ道具がいいという人もいるでしょう。こういう例もイノベーター理論に当てはめて考えられると思います。

    ここで皆さんはご自身がどの分類に入ると思いますか?そういうことを考えるのも結構楽しいかなと思います。
    私自身は、自分はレイトマジョリティくらいかな、と思っています。保守的というかあまり変化がない方が安心するので、例えば最近でいうとwindowsのOSの切り替えなんかもギリギリまで前のOSで粘ったりしてしまいました。かといって絶対に変えたくないというほどではないですのでレイトマジョリティくらいが当てはまる気がします。
    ただ医師としてはアーリーマジョリティでいることを心がける必要があると考えていますし、なるべくそのようにしているつもりです。

    どういうことかというと、年々医学の発展は凄まじく、数年のうちに医学的な知識がそれまでの倍に増えるような速度で進歩しています。これは医学以外の科学全般もそうですが、この速度は人間が意志をもって努力せずに自然についていくには難しい速度だと思います。実際皆さんもスマホやAIなどついていけている部分もついていけていない部分も思い浮かぶでしょう。
    なのでこの医学の発展の速度に追随するためには新しいものにも積極的に関心を持っていく必要があると思っています。かといって命に関わることなので何でもかんでも新しいものに飛びつけばいいわけではないので、その匙加減としてアーリーマジョリティくらいがいいかなと考えます。

    具体的には、どんどん新しい治療法が生まれ、その有効性や安全性が検証されていく中で、新しいものにあまりに消極的になることでデメリットが生まれる可能性(既存の治療法が新しいものに劣っている場合には新しい治療をしないことは患者さんには不利益ですよね)も意識する必要があると考えていて、患者さんの利益を最大化するためには最新情報をしっかり勉強して、その時点で有効性や安全性が最も優れた治療をしていくようにしなければいけないと思っています。